抜栓して最初の数時間とその後で印象がガラリと変わった。いずれにしても、あまりポムロル感はなく、左岸と言われても気づかないかもしれない。外観は、20年熟成とは思えないほど若々しく、縁がわずかに褐色がかっている程度だが、香りや味わいはしっかりと熟成感がある。抜栓直後は、樽のロースト感を強めに感じ、焦げた木や燻製肉のニュアンスが特徴的で、他にはクレーム・ド・カシスや熟したブラックベリー、薬箱、腐葉土、タイムなどが感じられ、時間が経つとロースト感は消え、代わりにメロンのような熟した果実の甘いニュアンスが主体的になる。口に含むと、穏やかになった果実味と酸味に、熟成ボルドーならではの甘味が感じられる味わいで、タンニンも完全に溶け込んだミディアムボディのスムーズな口当たり。味わいも序盤はロースト感が強く、余韻にかけては炭のようなニュアンスがあり、ブドウのポテンシャルの低さに対して樽を効かせすぎてしまったんだなという印象だったが、後半はロースト感は薄れ、甘味とまろやかさが増して良い感じのバランスに落ち着いた。

クロ・レグリーズ
Clos l'Eglise
クロ・レグリーズは、フランス・ボルドー地方のポムロール地区を代表するシャトーの一つです。その歴史は古く、かつてはシャトー・レグリーズ・クリネもこのシャトーの一部でした。シャトー名は、ポムロールに多く存在する「エグリーズ(教会)」に由来しています。畑はシャトー・クリネに隣接する丘の上に位置し、西向きの粘土質と砂利質の土壌が広がっています。ボルドーの中でも右岸に位置するポムロールは、左岸と比べて生産量が少なく、一晩にして名声が上がり、瞬く間に入手困難になる「シンデレラワイン」と呼ばれるワインが存在します。クロ・レグリーズも、その一つとして近年高い評価を得ています。ワインはメルロを主体に、カベルネ・フランをブレンドして造られます。特にカベルネ・フランには樹齢の高いブドウを使用することで、複雑さとフィネスが生まれます。メルロは深いコクと柔らかさを与え、シルクのような滑らかな舌触りが特徴です。凝縮した果実味と複雑な味わいは若いうちから楽しむことができますが、長期熟成にも耐えうるポテンシャルを秘めています。
15,730 円~
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ヴィンテージ:2002年
評価日:2021年09月25日