クオリティは申し分なく決して悪いワインではないが、グレートヴィンテージとは感じられないブドウのポテンシャルで残念。果実味や酸味はかなりこなれてきているのに対して、タンニンは収斂感を大分残していて、早飲みにも熟成にも向いていないように感じられる。香りは、ブラックベリーやプルーンに近いやや熟成感の出た黒系果実、ミント、スミレ、土、モカ、ダークチョコレートなどでバランスは良い。口に含むと、穏やかな果実味のミディアムボディで優しいアタック。熟成というより樽由来の甘味もほのかに感じられる。酸味もまろやかで果実味、甘味、酸味だけをとれば飲み頃に入っているが、タンニンは収斂感があり、余韻はやや引っかかる。余韻はタバコのスモーキーな風味がタンニンの印象を伴って長く残る。

シャトー・ランゴア・バルトン
Château Langoa Barton
メドック格付け3級のシャトー・ランゴア・バルトンは、1821年からバルトン家が所有する歴史あるシャトーで、ボルドーの中でも所有者が変わっていない最も古いシャトーの一つです。サン・ジュリアン村の南部に位置し、ジロンド川を見下ろす美しい場所に15ヘクタールの畑を所有しています。メドック格付け3級に位置付けられ、同じバルトン家が所有するレオヴィル・バルトンとは兄弟シャトーにあたります。ランゴア・バルトンは、伝統的なボルドーのワイン造りを重視しています。ブドウは全て手摘みで収穫され、畑と醸造所で2度の選果が行われます。醸造にはステンレスタンクを用いず、木桶で発酵させるなど、昔ながらの手法が採用されています。熟成は新樽比率60%のフレンチオーク樽で16~18ヶ月間行われ、ワインに複雑さと力強さを与えています。カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、メルロ、カベルネ・フランをブレンドしたワインは、凝縮感があり、タンニンがしっかりとした骨格を備えています。若いうちは力強い印象ですが、10~20年の熟成を経てタンニンが溶け込むと、上品な果実味と複雑なブーケが調和した、非常にバランスの良い味わいへと変化します。じっくりと時間をかけて熟成させ、その真価を味わいたいサン・ジュリアンの銘酒です。
8,470 円~
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余韻の
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ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2009年
評価日:2022年04月20日
決して悪くはないのだが、グレートヴィンテージにしてはブドウのポテンシャルを感じられず、わずかにスカスカな印象さえ感じる。枯れてきた熟成感があり、ほのかだがイチジクや黒蜜のニュアンスも感じられ、熟成の進みは早いように思う。他にもカシス、タバコの葉、鉛筆の芯、シダ植物、黒胡椒、クローヴなど複雑でいて均整の取れた香り。口に含むと、中庸な果実味が酸味に負けてやや水っぽい印象。余韻も弱々しい。熟成の早さから、今が一番中途半端なタイミングかもしれない。

¥.$.
ヴィンテージ:2010年
評価日:2021年03月18日