まだ熟成感は無く、わずかに青々しさも残っている頃合いではあるが、驚くほどまろやかな口当たりゆえに、タンニンもほとんど気にならず、荒々しさも無いことから今開けても十分楽しめる。酸味も非常に強く、青々しさと相まってヴェジ感の強い味わいで、苦手な場合はもう少し寝かせるのが吉だろう。香りは現時点でも複雑で、トップノートはバニラの甘いノートがしっかりと感じられ、ミドルノートはカシスとブルーベリーの果実香とミントやユーカリの葉の青々しさが合わさり、爽やかな印象。ラストノートはタバコやコーヒー、黒胡椒などの樽由来の香り。口に含むと、アタックはまず強い酸味から始まり、追いかけるように果実味とロースト感もしっかりと感じられ、その後すぐにミルクを加えたかのようなまろやかさな甘味が広がり、強い酸味が中和され、最終的にはバランスの良い味わいに落ち着く。タンニンは意識すれば存在感があるが、まろやかさの印象が強いため、意識しなければまったく気にならず、口当たりの良さだけでも飲みに値する美味しさを感じられる。余韻はまず黒鉛のような重たいトーンから始まり、リコリスやダークチョコレートのわずかに甘い風味とタバコのスモーキーな風味が長く続く。
シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト
Château Grand-Puy-Lacoste
シャトー・グラン・ピュイ・ラコストは、メドック地区の格付け5級シャトーで、ポイヤックで最良のテロワールの一つとされています。シャトーは16世紀初めの歴史を持ち、現在のオーナーであるフランソワ・グザヴィエ・ボリー氏の努力により、品質の向上と設備投資が行われた結果、82年以降は傑出したワインを生み出し、格付けが見直されれば昇格は間違いないと言われています。ワインはクラシックなポイヤックスタイルで、がっしりとした骨格と厚みのあるタンニンが感じられ、その味わいはカシスリキュールを思わせる濃厚さがあります。ワイン造りにおいては、カベルネ・ソーヴィニヨンが主体で、栽培には化学肥料不使用や除草剤不使用などの環境に配慮した手法が取られています。
9,480 円~
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アロマチャート
アロマの詳細
柑橘系果実
トロピカルフルーツ
赤系果実
黒系果実
加工・ドライフルーツ
花
植物・野菜
フレッシュハーブ
ドライハーブ等
ミネラル
土・森の下草
動物系
ナッツ
樹木
焦げ臭
スパイス
酒類
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント
¥.$.
ヴィンテージ:2014年
評価日:2025年10月12日
タンニン量は多く、フルボディと言ってもよいくらい厚みのあるボディだが、まさにシルキーという滑らかさでタンニンをほとんど気にすることなく、あっという間に飲み干してしまった。2日かけて飲むつもりでわざわざ遅い時間に抜栓したのに、赤ワインをこんな短時間で飲み干したのは始めてで、完成度の高さを感じたワインだった。香りにはやや熟成感が出てきており、抜栓時のコルクからもクレーム・ド・カシスの甘やかな香りがし、モカやマッシュルーム、ドライローズの香りもある。抜栓直後は非常にミンティで若々しい印象が強かったが、少し経つとドライローズの香りが主体的になった。口に含むと、ひんやりと冷たいアタックで、カシスのしっかりとした果実味とともにグラファイトを感じさせる味わい。香りの印象とは変わり、甘味はまだほとんど感じず、味わいのほうが香りよりも若々しい。タンニンは密度があり存在感としてはあるが、驚くほどの滑らかさでマイナスに感じることはなく、むしろ複雑味や飲みごたえあるボディに感謝したくなる不思議な感覚を覚える。余韻はモカとタバコの少しスモーキーな風味が長く残る。熟成ポテンシャルも高く、飲み頃を迎えるのが楽しみでならない。
¥.$.
ヴィンテージ:2009年
評価日:2022年05月04日