抜栓しただけで力強いアロマが溢れてきて、セカンドラベルといえど、グレートヴィンテージのポイヤックだと期待させられる。ただ、実際のところは樽による強さで、まだ樽香が馴染んでおらず、荒々しさは目立つ。味わいについても、タンニンはほとんど気にならないレベルだが、酸味が非常に強く荒々しく、飲み頃とは言えない。香りは、少し煮詰めたニュアンスのあるブルーベリーやカシスに、コーヒーやバターのオイリーなニュアンスと、樽全開のアロマで、どことなくカロリー高そうという感想が出てくる。他にしっかりと感じられるのはメントールくらい。口に含むと、アタックこそ充実した果実味を感じるが、すぐに強烈な酸味が広がり驚かされる。ピノよりも酸味が強いんじゃないかとすら思える。ただ、果実味と樽由来の甘味もあり、突出して酸味は強いが、ぎりぎりバランスはとれている。余韻にはわずかにコーヒーのニュアンスがあるが、酸味のせいでキレが良いのか、強度も長さももの足りない。
プレリュード・ア・グラン・ピュイ・デュカス
Prélude à Grand-Puy Ducasse
シャトー・グラン・ピュイ・デュカスは、メドック格付け5級に名を連ねるシャトーです。ポイヤックの優れたテロワールを有し、その畑はシャトー・ムートン・ロートシルトやシャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・バタイィといった名だたるシャトーと隣接しています。1970年代以降、シャトーはブドウの植え替えやセラーの大改修、新樽比率の見直しなど、品質向上のための惜しみない投資と努力を重ねてきました。その結果、近年では安定して高い水準のワインを産み出し、評価を高めています。「プレリュード・ア・グラン・ピュイ・デュカス」は、このシャトーが造るセカンドワインです。ファーストワインと同様に、恵まれた畑のブドウを使用し、厳格な管理のもとで栽培されています。若樹のブドウを用いることで、若いうちから楽しめる親しみやすいスタイルに仕上げられており、グラン・ピュイ・デュカスの入門編としても最適です。
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ヴィンテージ：2016年
評価日：2021年11月04日
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