4年ぶりの12年ヴィンテージ。前回は樽香がこれでもかというほど強く、果実香を覆い隠していたが、そろそろバランスが取れ、タンニンも馴染んできたのではと思い抜栓。確かに荒々しさは取れ、タンニンも大分溶け込んではいるものの、元々のブドウのポテンシャルが足らないのか、結局果実香・果実味は覆い隠されて感じにくく、前回よりも悪化したように思える。最近のヴィンテージのほうが仕上がりが良く、無理に古いヴィンテージを狙わないほうがよさそう。香りは、トップノートからラストノートまでローズマリーやミントのハーブ香が強く、樽香も荒々しくはないが、コーヒーやタバコ、燻製肉、ダークチョコレート、黒胡椒などと健在で、果実香はまったくといっていいほど感じとれない。口に含むと、アタックから強い酸味が感じられる。果実味は感じられず、代わりにロースト感が味わいの根幹なのは前回から引き続きだが、そのロースト感が穏やかになった分、酸味が際立っていて、酸っぱくはないが、ややバランスは悪い。タンニンはまだ少し存在感を残しているが、口当たりはビロードのように滑らかで、そこまで気にならない。余韻は非常にまろやかなコーヒーとローズマリーの風味が長く続く。
シャトー・ランシュ・ムーサ
Château Lynch Moussas
シャトー・ランシュ・ムーサは、ボルドーの名家カステジャ家が所有するメドック格付第5級のシャトーで、ポイヤック西部に位置します。元々はランシュ・バージュと同一の畑だけでしたが、18世紀に2つに分割されました。長い低迷期を経て、カステジャ家の所有になってからは醸造所や畑の改良が行われ、往年の名声を回復しました。敷地はポイヤック最大級の広大さを誇る200ha。その中で最良のテロワールだけを選んでブドウ畑としています。ブドウ畑ではカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロが栽培され、手間と時間をかけた栽培が行われています。シャトー・ランシュ・ムーサのワインは、しなやかでしっかりとしたストラクチャーを持ち、濃く深い色調や赤系果実のアロマを持ち、早くから楽しめるのが特徴です。
6,280 円~
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アロマチャート
アロマの詳細
赤系果実
黒系果実
加工・ドライフルーツ
花
植物・野菜
フレッシュハーブ
ドライハーブ等
土・森の下草
動物系
樹木
焦げ臭
スパイス
酒類
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント
¥.$.
ヴィンテージ:2012年
評価日:2025年09月12日
これまで飲んだメドック格付けの17年ヴィンテージで一番パワフルかもしれない。ヴィンテージを伏せられていたら16年ヴィンテージかと思うほど。元々どのヴィンテージも樽を効かせた造りだったが、17年もそのスタイルは変わりなく、そしてそれに応えるブドウのポテンシャルも十分にある。荒々しさこそないが、まだ樽香は強く、タンニンも重々しく、飲み頃はまだまだ先。香りは、トップノートに西洋杉やタバコの煙、リキュール感のあるカシスがバランス良く感じられ、トップノートだけでパワフルな左岸ワインだと分かる。他にもブラックベリー、メントール、黒コショウ、乾いた土など。口に含むと、アタックから強烈なロースト感とそれに負けない果実味があり、強靭なタンニンのフルボディな味わい。酸味もしっかりとあり、甘味もあるにはあるが、ロースト感と果実味が頭一つ抜けて強く、他の要素は存在感が薄い。タンニンは滑らかで最初の一口こそ気にならないが、まだまだ重く、杯を重ねると舌にしっかりと堆積していき、余韻も覆い隠してしまう。余韻はダークチョコレートのほのかな甘味とタバコのスモーキーさが感じられるが、タンニンのせいで印象が薄れる。
¥.$.
ヴィンテージ:2017年
評価日:2024年06月20日