とても綺麗に熟成していて、タンニンは少し気になるところもあるが、十分に飲み頃、ピーク付近と言える頃合い。熟成由来の甘味よりも樽由来の甘味が強く感じられるのが玉に瑕だが、それでも金額以上のクオリティではある。香りは、クレーム・ド・カシスやドライフィグの熟成した果実香がトップノートからはっきりと感じられるとともに、チョコレートやバニラの甘い樽香も強めに感じられる。他にも乾燥させたタバコの葉や緑茶葉のようなドライハーブ類も個性的なアクセントで、スミレの花の香りはまだ少し瑞々しさすら感じられる。口に含むと、角が取れてまろやかなアタックで、果実味や酸味は落ち着き中庸。一拍置いて甘味の主張が強く、熟成由来1対樽由来2くらいの割合で、樽由来の甘味の印象が強く、あと一歩で甘すぎるという印象になるほど甘味をはっきりと感じる。タンニンは大分溶け込んではいるが、少しザラつきを覚えはし、完全に溶け込むことはなさそうな雰囲気。余韻は甘味が引くとともにコーヒーの風味が感じられるが、甘味が引くことによってインパクトも薄れ、余韻の印象はやや薄い。

シャトー・カプベルン
Château Capbern
シャトー・カプベルンは、フランス・ボルドー地方のメドック地区、サン・テステフ村に位置するワイナリーです。1894年にジョルジュ・ガスクトン氏によって設立され、近年ではシャトー・カロン・セギュールを現在の地位まで導いたドニーズ・カプベルン・ガスクトン夫人が指揮を執っていました。2012年にシュラヴニール社に買収され、現在は醸造家ローラン・デュフォー氏のもとで更なる品質向上を目指しています。約35haの畑は、砂利質、粘土質、石灰質が混じる土壌で、平均樹齢30年のカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティ・ヴェルドを栽培しています。醸造はステンレスタンクで行われ、熟成には新樽比率50〜60%のフレンチオーク樽を18ヶ月間使用します。力強く骨格のしっかりとした味わいは、サン・テステフのテロワールを反映したクラシックなスタイルです。カロン・セギュールのエッセンスを感じさせる、安定した品質のワインを生み出しています。
2,541 円~
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アロマチャート
アロマの詳細

赤系果実

黒系果実

加工・ドライフルーツ

花

フレッシュハーブ

ドライハーブ等

土・森の下草

動物系

樹木

焦げ臭

スパイス

酒類
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2006年
評価日:2024年07月27日
カロン・セギュールのオーナー、ガクストン家の作るワイン。09年のカロン・セギュールはまだまだ若々しい印象だったが、こちらのほうは熟成感が出てきている。ただ、今は中途半端な状態で、特にタンニンの収斂感が残っていて、余韻にかけてチグハグな印象になってしまっている。香りは、ブラックベリーの他、クレーム・ド・カシスのニュアンスが出てきている一方で、西洋杉やミントの青々しいニュアンスもわずかに残している。口に含むと、アタックは骨格を全く感じさせない滑らかなミディアムボディで、果実味と酸味も丸みを帯びて穏やかな印象なのに、後半はタンニンの収斂感が気になってしまう。果実味と酸味の印象からは、それほど長期熟成向きではない感じだが、タンニンが馴染むにはもう5年くらいかかりそうで、5年後に一瞬のピークを楽しめたらラッキーといったところだろうか。

¥.$.
ヴィンテージ:2009年
評価日:2021年08月01日