まだ若く、若干酸味の荒々しさとタンニンが気になる。17年ヴィンテージでもエレガントではなく、どちらかといえばフルボディ寄りのパワフルな造りなので、あまり早飲み向けのヴィンテージだとは考えないほうがよさそう。ただ、余韻の非常にまろやかなコーヒーの風味だけでも、このワインのクオリティの高さを感じ取れ、荒々しさやタンニンを忘れさせるほど心地良く、熟成による変化を期待するより、この余韻が保たれているうちに飲み頃を迎えてほしいと思えるワイン。香りは、トップノートにカシスと黒胡椒が強く出ていてやや荒々しさを感じ、ミドルノートは荒々しくはないもののしっかりとロースト感が感じ取れるエスプレッソの香りとバラの香りがあり、ラストノートはマイルドなバニラ香で着地してトップノートの荒々しさを中和してくれる。口に含むと、香りの印象以上に酸味が強く、果実味も弱くはないが、酸味の強さにはやや押され気味。タンニンは重すぎることはないが、存在感はしっかりとあり、引っかかりはある。3年後くらいが個人的なベストコンディションと予想。

シャトー・グロリア
Château Gloria
シャトー・グロリアは、サン・ジュリアン村の村長であった故アンリ・マルタン氏によって1942年に設立されました。彼は特級シャトーの畑を集め、特級シャトーに匹敵する高品質なワイン造りにこだわりました。畑はレオヴィル・ラス・カーズ、レオヴィル・ポワフェレ、レオヴィル・バルトン、デュクリュ・ボーカイユ、ラグランジュ、グリュオ・ラローズなど、サン・ジュリアンの人気シャトーから成り立っています。設立が遅かったため、メドック格付けには入っていませんが、常に特級シャトー並みの高い評価を受けています。ロバート・パーカー氏も「信頼がおける」、「価格はリーズナブルだが品質は四級や五級に匹敵する」と賞賛しています。シャトー・グロリアは安定した美味しさと、果実味が主導権を握りながらもしなやかで健全なワインとして知られ、その魅力は年を経ても増しています。
6,380 円~
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アロマチャート
アロマの詳細

赤系果実

黒系果実

加工・ドライフルーツ

花

フレッシュハーブ

ドライハーブ等

発酵・乳製品

ミネラル

土・森の下草

樹木

焦げ臭

スパイス
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2017年
評価日:2023年10月01日
グレートヴィンテージらしい物凄いポテンシャルを感じさせてくれるワイン。ブドウの力に合わせて樽を強烈に効かせていて、エスプレッソやタールのようなロースト感の強いワインとなっており、まだ樽香は全然溶け込んでいなくて飲み頃は当分先。飲み頃を迎えた際には素晴らしい複雑味を発揮してくれるだろう。香りは、トップノートからエスプレッソやタールの重厚なロースト香が立ち、これらが強くて他の要素を感じづらくはあるが、他にもブラックベリーやブルーベリーなどのベリー系、スミレ、ミントの香りはしっかりと感じられる。口に含むと、強烈な果実味が広がり、フルボディと合わさってアタックだけで圧倒される。樽由来のほのかな甘味、穏やかになった酸味、そしてまだ重いが滑らかなタンニンと、果実味とロースト感を楽しむ目的なら今でも十分美味しく飲める。余韻も非常に長く、ブラックベリーの果実味が最後まで残りつつ、石灰質なミネラルやエスプレッソなど、複雑味を保った余韻。

¥.$.
ヴィンテージ:2009年
評価日:2022年04月15日