09年と10年しか飲んだことがなかったが、スタイルが大分変わったというか、樽の効きが大分強くなったように感じる。また、それに比例してか、左岸というよりも右岸のような複雑さがあり、パワフルなワインに仕上がっている。ただ、ブドウのポテンシャルが低いわけではないが、それ以上に樽を効かせすぎていて、果実感を覆い隠してしまっているのが残念。香りは、トップノートはバニラ香がはっきりとありつつ、マッシュルームとトリュフの中間くらいのキノコ香や腐葉土の香りが右岸ぽく、ミドルノートは、タールやタバコ、クローヴ、黒コショウなど、樽由来の重々しい香りが強く、果実香は感じづらい。口に含むと、アタックからロースト感満載なフルボディの味わいで、やはり果実味がロースト感や樽由来の風味に押されて感じづらい。同様に甘味も酸味も中庸に感じられる。タンニンは滑らかで溶け込みも進んでいてあまり気にならない。余韻にかけては少し熟成感が感じられ、醤油や樟脳、マッシュルームなど、複雑な余韻が恐ろしいほど長く続く。09年や10年が完璧だっただけに、路線変更は残念だが、すでにデュクリュ・ボーカイユに買収・合併されたので、このスタイルも出ないだろう。

シャトー・ラランド・ボリー
Château Lalande-Borie
シャトー・ラランド・ボリーは、サン・ジュリアンに位置し、メドック格付け第2級シャトー・デュクリュ・ボーカイユを所有するボリー家が1970年にラグランジュの一部であった畑を購入して始まりました。デュクリュ・ボーカイユと同じ醸造設備を使用しています。畑の特徴は粗い砂利と泥土から成る土壌で、手摘みによる収穫を行い、ステンレスタンクでの発酵とマセレーション後、オーク樽で12カ月間熟成(新樽比率30%)します。ブドウ品種はメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン。ワインはスパイシーなアロマと芳醇な果実味が魅力で、しっかりとした果実味を持ちつつ、スタイリッシュかつ優雅にカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴を表現しています。ワイン評論家は、「敏腕のウジェーヌ・ボリー氏が、サン・ジュリアンで腕をふるったワインを手頃な値段で味わえるシャトー」と評価し、その品質の高さを称賛しています。2019年からはデュクリュ・ボーカイユのサードワインとして「プティ・デュクリュ」と名称変更しています。
4,100 円~
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ミネラル

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スパイス

酒類
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渋味
余韻の
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ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2014年
評価日:2025年04月01日
09年と飲み比べ。大きな差はないが、やや10年のほうがポムロル寄りの尖った印象があり、タンニンも幾分か強く感じる。09と共通して、黒系果実とカカオの香り。キノコのニュアンスが09はシイタケのような和の印象、10はマッシュルーム。アーモンドオイルや海鮮醤を思わせる個性的なニュアンス。口に含むと、10年も驚くほどの果実味があり、タンニンの強さ以外は09年と印象ら変わらない。まだまだ熟成も可能そうなので、数年後にまた飲み比べたい。

¥.$.
ヴィンテージ:2010年
評価日:2021年02月05日