09年10年に比べるとヴェジ香が少なく、樽の効いたモダンな作りで、やや個性には欠けるが、一方で癖が無く万人受けしそうな良質な右岸ワインに仕上がっている。香りは、トップノートにバニラやリコリスの甘い香りがしっかりとあり、果実香もプルーンの濃厚で甘さを伴うもので、第一印象は樽甘な印象だが、その先には枯葉や腐葉土、醤油など右岸らしい熟成のヒントが感じられる他、黒胡椒のスパイシーさも強い。口に含むと、香りの印象以上に濃厚なプルーンの果実味が広がり、甘味もしっかりとあるが、それ以上に酸味も強く、キレが良くてくどくない良いバランス。タンニンは非常に滑らかかつ収斂感も無く、驚くほど溶け込んでいてまったく気にならない。熟成途上ではあるが、果実味を堪能する分には十分飲み頃に達している。余韻も長く複雑で、ダークチョコレートのほのかな甘味とコーヒーのロースト感、そして黒胡椒のスパイシーさがバランス良く感じられる。

シャトー・ジャン・フォール
Château Jean Faure
2012年からサン・テミリオンの格付けにおいてグラン・クリュ・クラッセに昇格したシャトー。メルロ主体が多い右岸の中でも珍しくカベルネ・フランを主体としているのが特徴です。シャトー・シュヴァル・ブランから100メートルも離れておらず、その左側はシャトー・ラ・ドミニクに接し、その後ろはシャトー・レヴァンジルに囲まれています。2020年からはビオディナミに転換し、2023年ヴィンテージからは認証を受けたワインとなります。
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ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2012年
評価日:2023年06月19日
カベルネ・フランの特徴が良く出ていて、ヴェジ香をしっかりと感じるとともに、味わいも野菜エキスのような酸味が感じられる。濃厚フルボディで、特に初日はロースト感も強く感じ、かなりの飲みごたえを感じる。二日目は少し穏やかに感じられ、その分野菜っぽさのある酸味が感じやすい。タンニンは滑らかでそこまで重くないが、まだ完全に溶け込んではおらず、まだまだ熟成ポテンシャルのあるワイン。香りは、抜栓直後のトップノートはバニラ香が強く、それが落ち着くとシシトウのようなヴェジ香がはっきりと現れる。ブラックベリーやプルーンの濃厚な黒系果実やドライローズの香りも高く、サフランのようなスパイシーなニュアンスもあり、右岸らしいというかカベルネ・フランらしい複雑味がある。口に含むと、香りの印象以上にインパクトの強いアタックで、強烈な果実味と強めのロースト感があり、ボディも厚く、アタックから圧倒される。ただ、荒々しさはなく、樽香も馴染んでいるので、果実味を最大限楽しむには最適なタイミング。樽由来の甘味もほのかにあり、酸味もしっかりとあってバランスも良い。余韻も長く複雑で、タバコのスモーキーさが出てきつつ、コーヒーやドライローズの風味もある。

¥.$.
ヴィンテージ:2009年
評価日:2023年06月09日
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