香りは閉じていてくぐもった印象があり、果実味も眠っている印象だが、余韻が力強く驚くほど長く続き、ポテンシャルを感じられる。タンニンは滑らかで収斂感もないが、まだ少しだけ重さは意識させられるので、早めに飲むにももう数年だけ寝かせると吉。香りは、スワリングするとカシスやプルーンの果実香が出てくるが、しないとマッシュルームのようなアーシーさが最初に来てくぐもった印象になる。要素としては豊富で、他にもバラや黒コショウ、タバコ、メントール、西洋杉など、複雑味も期待できる。口に含むと、香り同様に果実味は中庸で期待値よりも弱く、酸味のほうが立っている。樽由来の甘味やロースト感はしっかりとあり、それも果実味不足を引き立てているように感じる。タンニンは滑らかだが、終盤に舌に堆積する感覚わずかに感じられる。しかし、そのタンニンにも負けず、余韻はコーヒーの風味がやりすぎない程度に強く、そして長く強くので、タンニンを気にする時間は短い。余韻の素晴らしさはここ最近では一番と思うほどに良い。

シャトー・ピション・バロン
Château Pichon Baron
シャトー・ピション・バロン(シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン)は、メドック格付け第2級で、ジロンド川に近くラトゥールに隣接する優れたテロワールを有しています。畑は砂利質土壌で水はけが良く、粘土層も含まれています。元々は「ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド」と一つのシャトーでしたが、1850年に分割され、共にメドック格付け第2級に格付けされました。ピション・ラランドは女性的、ピション・バロンは男性的で力強く、ポイヤックらしい壮厳な味わいが特徴です。アクサ・ミレジム社が1987年に購入し、大規模な改築を施しています。また、ランシュ・バージュのジャン・ミシェル・カーズ氏が栽培・醸造を監督するようになり、品質はより高まっています。ワインは新樽比率70〜80%で18ヶ月熟成され、マロラクティック発酵も樽中で行うなど、骨格ある力強いスタイルで造られます。
30,230 円~
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ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2012年
評価日:2022年12月25日
香りは酸味強めな黒系果実と、ナツメグやリコリスなどのスパイスが強め。まだ若いヴィンテージらしく、やや人工感が強く、インクやキャンディのようなニュアンスもある。味わいは果実味が強く、香りの印象に比べると酸味は控えめ。香りには感じなかった(少し置いておいたらしっかり香るようになった)が、余韻にかけてロースト感が出てきて、コーヒー感のある余韻が続く。

¥.$.
ヴィンテージ:2017年
評価日:2020年08月30日