熟成感はほとんどないが、樽香や果実味は落ち着き、タンニンはかなり溶け込んでいてまったくといっていいほど気にならない。派手さはないが洗練されたスタイルでクオリティの高さを感じられる一本。香りは複雑味がありつつ均整が取れていて、酸味を感じさせる溌剌としたカシスの果実香、タバコのスモーキーさ、リコリスやココアパウダーの甘やかなノート、バラ、レザー、ミント、黒胡椒などが感じられる。口に含むと、アタックから序盤はカシスの溌剌とした酸味を主体とする味わいだが、中盤からミネラルの旨味と甘味がグングン広がってきて、樽由来の甘味と合わさり非常に心地良い余韻へと繋がっていく。余韻は驚くほど長く、ココアのようなほのかな甘く優しい風味が感じられ、非常に満足感が高い。タンニンは滑らかで軽く、ボディも柔らかく感じられてスルスルと飲めてしまう。良質なワインではあるが、酸味の強さに対して果実味は控えめに感じられ、これ以上熟成させるべきか早めに開けてしまうべきかは悩ましいワイン。

シャトー・クレール・ミロン
Château Clerc Milon
シャトー・クレール・ミロンは、メドック格付け第5級で、ムートン・ロートシルトと同じオーナーであるバロン・フィリップ・ド・ロートシルト男爵によって1970年に取得されました。畑はポイヤックの北側に位置し、ジロンド河を見下ろす緩やかな傾斜にあり、ムートン・ロートシルトとラフィットに挟まれた絶好の立地です。土壌は砂利や石灰質で、平均樹齢50年のカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、カルメネールが植えられています。フィリップ・ド・ロートシルト男爵の娘、フィリピーヌ・ド・ロートシルト夫人とスタッフの尽力により、畑や醸造所は改善が重ねられ、1980年代後半からは「格上げされるべき」と称賛される高い評価を受けています。バロン・フィリップ・ド・ロートシルト所有の3つのグラン・クリュの中で、最も外向的と言われ、パワフルでタニックながらも、エレガンスを備えた若いうちから飲みやすいタイプとしても知られています。
7,508 円~
生産地
タイプ
アルコール
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薬品・化学物質

酒類
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
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ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2012年
評価日:2023年06月21日
05年ハーフボトル。外観は、元々が非常に濃い色合いなのも相まってだと思うが、あまり熟成感はなく、縁がわずかに褐色がかっている程度。香りも熟成のヒントはあるが、まだ荒々しいような力強さがあり、味わいも含めて熟成感がようやく出てきたといった頃合い。トップノートは、クレーム・ド・カシスとプルーンのような凝縮感のある果実香、そしてトリュフの香りもしっかりと感じられ、香りの強さに驚かされる。他にもカカオや落ち葉のニュアンス程度にあり、根底にバニラの香りが漂っている。味わいもやはりまだまだ果実味が強く、熟成ワインとは言い切れない感じだが、酸味やタンニンはまろやかになってきているのは感じられる。個体差もあろうが、しっかりと熟成感を味わうなら、ハーフボトルでも少なくとももう5年は欲しいところ。

¥.$.
ヴィンテージ:2005年
評価日:2021年07月16日