熟成感は出てきているが、まだ入り口くらいの頃合いで、果実味もまだまだ強い。一方で、タンニンはかなり溶け込んでおり、意識しなければほとんど存在感を感じないほどで、ここから先は好みによっていつでも飲み頃といえる状態になっている。香りは、トップノートにはバニラやリコリスの甘いスパイシーさがしっかりとあり、すぐにブラックチェリーのフレッシュさとリキュール感の混じった香りとバラの香りを強く感じる。その奥にはキノコや枯葉、醤油をほのかながら確かに感じることができ、他にもピンクペッパーやインクなどの尖ったニュアンスも感じられる。口に含むと、角の取れた柔らかいアタックで、最初はやや酸味のほうが強く感じられるが、徐々に果実味と熟成による旨味が存在感を増してきて、最終的な印象としては果実味もまだまだ健在だと感じられる。熟成感のある甘味も感じられるが、まだほのかに感じられる程度。余韻は複雑で、マッシュルーム、枯葉、醤油が程よく控えめに長く続く。

シャトー・トロット・ヴィエイユ
Château Trotte Vieille
シャトー・トロット・ヴィエイユは、サン・テミリオン特別1級Bに格付けされるシャトーです。シャトーは1453年から存在し、サン・テミリオンで最も古い建物の一つとして長い歴史を誇ります。畑には、フィロキセラの被害を逃れた樹齢140年以上のカベルネ・フランの貴重な古木もあり、メルロ50%、カベルネ・フラン45%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%のアッサンブラージュで、カベルネ・フランの割合がやや高いのが特徴です。また、新樽比率も100%と高く、21日にわたる発酵と12〜18ヶ月の樽熟成が行われます。フリィップ・カステジャの手腕により高い評価を得ているシャトーで、近年はコンサルタントにドゥニ・デュブルデュー氏を迎え、ますますの品質向上が期待されています。
11,411 円~
生産地
タイプ
品種
あなたの評価
テイスティングノート
9件の評価を集計
アロマチャート
アロマの詳細

黒系果実

加工・ドライフルーツ

花

ドライハーブ等

発酵・乳製品

ミネラル

土・森の下草

動物系

樹木

焦げ臭

スパイス

薬品・化学物質

酒類
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2005年
評価日:2023年07月02日
2年前は飲み頃の一歩手前だったが、今なら飲み頃と言える状態。ただ、タンニンはやや重いと感じる部分もあり、まだピークアウトの気配も無いので、もう数年我慢すると最高の状態になりそう。香りの複雑さだけでも十分に楽しめるうえ、口当たりの滑らかさ、まろやかさは他に類を見ないほど抜きん出ていて感嘆させられる。香りは、抜栓直後のトップノートに醤油のニュアンスがあり、抜栓時から熟成感が感じられる。グラスに注ぐと、チョコレートリキュールやチョコレートケーキ、バニラなどビタースイートなノートが特徴的で、樟脳のような独特なスパイシーもある。スワリングするとミルクのまろやかな香りが強く出てきて、香りの時点で相当まろやかな印象を受ける。他にも、ブラックベリーやイチジク、なめし革、インク、コーヒー、湿った土など、探せばいくらでも要素が見つかりそうな複雑さがある。口に含むと、香りの印象以上の滑らかでまろやかな味わいで、果実味というより鰹出汁のような旨味の味わい。熟成感あるミルクの甘味が感じられるようになる。余韻も複雑で、ビターチョコレートや樟脳、鰹節の風味が控えめながら長く続く。

¥.$.
ヴィンテージ:2010年
評価日:2022年10月30日