まだ熟成途上だが綺麗に熟成していて、一日目こそパワフルだが、二日目になると熟成感のほうが前面に感じられて程良い。プルーンやイチジクの果汁スープかのようにものすごい濃厚な果実味が香りの時点から感じられ、味わいは中盤から醤油のような出汁感が加わり、サン・テミリオンらしい熟成感が魅力的に感じられる。一日目は果実味、二日目は熟成感。香りは他にも一日目はバニラやアーモンド、コーヒーなどの樽香もまだしっかりと感じられ、二日目になると果実の香りも枯れた印象が強まり、腐葉土や薬箱のニュアンスに違いメントールの香りが感じられる。口に含むと、まだまだパワフルな果実味がアタックから印象的で、果実味由来、樽由来の甘味もしっかりとあり、強めの酸味がバランスを整えてくれる。ロースト感は無く、果実味から旨味へと変化途中なニュアンス。タンニンはまだ少し存在感があり、わずかに引っかかりを覚える。余韻もプルーンやイチジクの風味をメインに、一日目はコーヒー、二日目は醤油のニュアンスも感じられ、長く続く。熟成途上ではあるがゆえに、二日間の変化も面白く、今開けても満足度は高いワイン。

シャトー・ムーラン・サン・ジョルジュ
Château Moulin Saint-Georges
シャトー・ムーラン・サン・ジョルジュは、ボルドー8大シャトーのひとつであり、サンテミリオン第1特別級Aに格付けされるシャトー・オーゾンヌのオーナー、アラン・ヴォーティエ氏が手掛けるワインです。シャトー・オーゾンヌの向かい側に位置する約7haの畑は、粘土石灰質土壌でメルローの栽培に適しており、凝縮した果実味としなやかな口当たりが特徴のワインを生み出します。醸造はシャトー・オーゾンヌと同じチームが担当し、温度管理されたステンレス槽での醸しとオークの新樽での熟成を行います。新樽比率はヴィンテージによって変動しますが、85%~100%と非常に高く、力強くもエレガントなスタイルのワインに仕上がります。ロバート・パーカー氏は、「オーゾンヌをより早く熟成させたような、若いうちに飲むのに適したワイン」と評しています。年間生産本数は3万5千本程度と少なく、希少性の高いワインです。
5,980 円~
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アロマチャート
アロマの詳細

赤系果実

黒系果実

加工・ドライフルーツ

花

フレッシュハーブ

ドライハーブ等

発酵・乳製品

土・森の下草

ナッツ

焦げ臭

スパイス

薬品・化学物質

酒類
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2008年
評価日:2024年12月01日
オーゾンヌのチームが造るワイン。オーゾンヌに比べて早飲み用とのことだが、09年は10年以上の熟成を経ても若々しく、あまり早飲み用の印象を受けなかったものの、15年ヴィンテージはよりエレガントに感じられ、スタイルが確立されてきていると感じられる。一方で、樽香はやや強く、これだけ樽を効かせるなら長熟用に仕上げたほうが良いのでは?というチグハグ感もあり、まだまだ発展途上のクオリティ。香りは右岸らしさと樽由来の複数さがあり、ブラックベリーやブラックチェリーのエキス感ある果実香を主体にしつつ、バニラやアーモンド、黒胡椒、ワックス、バラ、黒土、海鮮醤など多様な要素を感じられる。口に含むと、アタックからロースト感が強く、ボリュームもあってパワフルではあるが、果実味や甘味、酸味は中庸というか、ロースト感などに比べると控えめで、ややアンバランスに感じられる。タンニンは少しだけ存在感を残すが、かなり溶け込んでおり、この点は早飲みに向いたワインと言えるが、樽の馴染み具合的にはまだ飲み頃ではない。余韻はロースト感強めのコーヒーとアーモンドの香ばしい風味が長めに残る。発展途上ではあるが、価格には見合ったクオリティで、十分に美味しい。

¥.$.
ヴィンテージ:2015年
評価日:2024年04月09日