08年ヴィンテージ以来の当たり。頃合いが良いのか、ブドウのポテンシャルと樽のバランスが今までで一番良いと感じられる。香りは、ブラックプラムやイチジクの濃厚なスープのような果実香が主体。とはいえ、煮詰めたような濃厚さではなく、純粋に強度が高いだけで、甘味よりも酸味の印象のほうが強い香り。まだ若くユーカリのような青さもある他、右岸らしく腐葉土やインク、マッシュルームといった複雑さも感じられる。口に含むと、アタックから濃厚な果実味と強い酸味があり、香りから想像したものから二段くらい上で、どちらも高い次元で拮抗し、ロースト感や甘味もあるが、それらを圧倒している。タンニンも溶け込みきってはいないが、酸味のキレの良さのおかげか、ヴィンテージの割に存在感は弱い。余韻までイチジクのエキスのような濃厚な果実味は残り続け、エスプレッソのようなスモーキーさが強いコーヒーの風味も出てきて非常に長い余韻。熟成ポテンシャルもあり、早飲みも可能なコストパフォーマンスの高いヴィンテージ。

シャトー・フォントニル
Château Fontenil
シャトー・フォントニルは、フロンサックに位置するシャトーで、Mr.メルロと称される天才醸造家、ミシェル・ロラン氏が所有しています。フロンサックはポムロールに隣接するアペラシオンとして有名で、ポムロールの影に隠れがちですが、赤ワインの銘醸地として最高の土壌を備えており、ミシェル・ロラン氏もそのポテンシャルに目をつけて1985年にフォントニルを購入しました。9haの畑は、フロンサックの中で最も高い標高に位置する南向きの斜面に広がり、粘土と石灰岩の土壌に樹齢40年以上のメルロとカベルネ・ソーヴィニヨンが植えられています。醸造では全房発酵とマロラクティック発酵を経て約18ヶ月の熟成期間を設けます。2010年以降はフレンチオークの新樽をそれぞれの工程で20%、40%、60%使い、力強い果実味と樽由来の複雑さが調和したワインが生み出されています。
3,790 円~
生産地
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品種
メルロ:90%
カベルネ・ソーヴィニヨン:10%
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薬品・化学物質
味わい
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果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
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余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2017年
評価日:2025年01月21日
以前飲んだもう少し熟成の進んだヴィンテージは、パワフルで濃厚なワインだったが、このヴィンテージはグレートヴィンテージらしさはあまり感じられず、強い酸味が良い具合にキレを加えていて飲み疲れない。それでも香りは樽香が強く、トップノートはしっかりとバニラ香があり、ロースト感の強いエスプレッソやワックスのやや荒々しさを感じる樽香が特徴的。他にもイチジクやブラックベリーの濃厚な果実香もある。口に含むと、香りの濃厚な印象とは変わり、アタックから終始酸味を意識する味わいで、酸味の強さゆえか果実味は中庸で、甘味もあまり感じない。タンニンもまだ完全に溶け込んではいないが、そこまで重くない。余韻もエスプレッソの強めのロースト感が残るが、香りの印象よりはマイルド。まだ荒々しさが残っているものの、すぐに飲み頃を迎えそうな雰囲気で、熟成向きよりも早飲み向きに感じられるワイン。

¥.$.
ヴィンテージ:2016年
評価日:2023年03月09日