ブドウのポテンシャルは低くはなさそうで熟成感もまだほとんど無いが、タンニンがやたらと重く、溶け込む前にピークアウトしてしまわないか心配になる。香りも味わいも閉じた印象で、樽が強すぎないのに印象に残る。香りは、ローストしたアーモンドのような香ばしさとリコリスの甘いスパイシーさがトップノートにあり、西洋杉やメントールの若干青い印象を抱かせる清涼感も感じられるが、果実香はあまり発ってこない。味わいも果実味や酸味が中庸で決して弱いわけではないが、ロースト感には負けているのと、アタック後すぐにタニックな印象が支配的になるため、タンニンを味わっているような感覚になる。タンニンは収斂感もまだ残っていて10年以上の熟成を経ているとは思えない強靭さだが、果たして長期熟成に耐えるポテンシャルはあるのだろうか。

シャトー・オー・モーラック
Château Haut-Maurac
シャトー・オー・モーラックは、ボルドー地方の中でも近年注目を集めるサン・イザン・ド・メドック地区のシャトーで、クリュ・ブルジョワ級に格付けされています。オーナーは、サン・テミリオンにもシャトーを所有するオリヴィエ・デゼル氏で、ラフィットやラトゥールなどメドック格付け第1級シャトーのコンサルタントを務めたジャック・ボワスノ氏に勧められ、シャトー・オー・モーラックを購入しました。ジャック・ボワスノ氏は、畑とセラーを再構築し、現在のアドバイザーであるステファン・ドゥルノンクール氏に引き継いでいます。ジロンド川に近く、砂利の多い優れたテロワールを有しており、ブドウ樹の平均樹齢は35年、中には70年近い古樹もあります。ワインは、ヴィンテージに左右さえず、典型的なメドックワインのアロマを持ち、筋肉質ながらシルキーなタンニンで、バランスの良い味わいが特徴です。
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アロマチャート
アロマの詳細

黒系果実

フレッシュハーブ

ナッツ

樹木

焦げ臭

スパイス

薬品・化学物質
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2011年
評価日:2022年12月09日
複雑さは樽頼みで少し物足りなさはあるが、樽に負けないブドウのポテンシャルを備え、非常にバランス良い出来になっている。まだ熟成感もまったくなく、今後の変化にも十分期待できる。さすがにフルボディのしっかりとした造りなので、数杯飲めば重さは気になってくるが、タンニンも非常に滑らかで、1杯目はまったくとってよいほど気にならないほどで、今開けても果実味を楽しめる状態。香りは、カシスとブラックベリーの黒系果実がしっかりと感じられるとともに、黒胡椒やリコリスのスパイシーさも強め。他にはカカオパウダーのほのかに甘めな粉っぽいニュアンスとインクのニュアンスが感じられる。口に含むと、アタックからグレートヴィンテージらしいしっかりとした果実味が印象的で、樽由来の甘味もあり、酸味は落ち着いていて好きなバランス。また、甘味があるせいか、香りの印象よりもスパイシーさは控えめに感じられ、このバランスも好み。タンニンは骨格があり、フルボディだが、スムーズで飲みやすい。余韻にかけては少しロースト感が増して感じられるが、ダークチョコレートのようなほのかな甘味もあり、そこまで浮いた印象でもない。完璧ではないが、お値段以上の素晴らしいワイン。

¥.$.
ヴィンテージ:2010年
評価日:2022年05月20日
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