17年はあまり長期熟成向けではなく、エレガントな仕上がりになっているものが多かったので、こちらも早くに開けても楽しめるだろうと予想していたが、予想以上の滑らかさと複雑味をすでに有しているだけでなく、ある程度の熟成にも耐えそうなポテンシャルも感じられる素晴らしいワインだった。香りは、トリュフのような熟成香がしっかりと感じられるのが特徴的だが、他の要素はまだフレッシュで、カシスやバラの華やかなノートに、リコリスやクローヴのスパイシーさ、黒鉛の重々しさが良いバランスで感じられる。口に含むと、アタックから物凄くまろやかで、まるでミルクコーヒーのような味わいで、やや熟成感のあるミルキーな甘味が感じられる。一拍置いて酸味の乗ったカシスのジューシーな果実味もしっかりと出てきてブドウのポテンシャルも感じられる。タンニンは非常に滑らかで、若いヴィンテージとは思えないほどに溶け込み具合も良く、今開けてもまったく後悔しない状態。余韻も長く、アタックから一貫してミルクコーヒーを嗜んでいる感覚で、少しタバコのスモーキーさも出てくる。優良シャトーの17年ならそろそろ開けてもよいのかもしれないと思わせる素晴らしいワインだった。

ドメーヌ・ド・シュヴァリエ
Domaine de Chevalier
ドメーヌ・ド・シュヴァリエは、ペサック・レオニャンの森に囲まれたグラーヴ地区に位置し、赤・白ワインともに高い格付けを誇る銘醸シャトーです。シャトーの名前はスペインの巡礼地への通り道にあり、それを守る「騎士」を意味する「シュヴァリエ」と名付けられました。創設は17世紀で、リカー家やベルナール家によって所有され、その歴史と努力が高い評価を受けています。特に、ボルドーの他のメジャーなシャトーに匹敵するとされ、パーカー氏からも「メドックの格付シャトー、二級シャトーにも匹敵する高価なワインである」として評価されました。畑の土壌は砂礫質で、春の霜や雹にも耐えながら、品質に優れたブドウを栽培しています。ワインの醸造においては、丹精込めた手摘みと厳格な選果が行われ、赤ワインは32℃での発酵と50%の新樽率で熟成され、素晴らしい構造と個性を持つワインが生み出されます。
9,803 円~
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味わい
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果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2017年
評価日:2023年02月05日
タンニンは滑らかで飲み頃に入っているといえるが、非常に重くフルボディで飲みごたえのある出来。アルコール度数は13.5%と高くはないので、飲みごたえはボディの厚みによるもの。ただ、香りにも少し感じられるが、日本のサクランボのような可愛らしいチェリー系の酸味のある味わいがアタックに強く出ていて、アタックだけは軽く感じられる。中盤からは熟したタンニンが存在感を増し、余韻にかけてダークチョコレートやコーヒーの風味が穏やかに感じられる。余韻にだけビターな甘味があるが、基本的にドライ。香りは、黒鉛のミネラリーで冷たい印象が特徴的で、ブラックベリーとサクランボの黒系赤系混合の果実香、そしてミント、黒胡椒、コーヒーのニュアンスがバランス良く穏やかに感じられる。若干酸味に対して果実味が弱いと感じるが、金額に見合うクオリティではあり、長期熟成用はグレートヴィンテージに任せて勿体ぶらずに楽しむのが吉なヴィンテージ。

¥.$.
ヴィンテージ:2012年
評価日:2022年02月21日