樽がやや強めに効いていて、17年ヴィンテージにしてはエレガントではなく飲みごたえのあるスタイルに仕上がっている。樽香は荒々しくはなく、ロースト感も程良いながら、タンニンはまだ気に掛かり、飲み頃はもう少し待ちたい。香りは、トップノートにチョコレートの甘やかな樽香とカシスのジューシーな果実香がバランス良く感じられ、他にもユーカリ、リコリス、コーヒー、乾いた土など、程々の複雑味もある。口に含むと、まろやかなコーヒーを思わせる味わいで、アタックから終盤までは甘味も無く、中庸からやや強めな果実味としっかりとした酸味が印象的。余韻にかけてはチョコレートの風味がしっかりと出てきて、ほのかに甘い印象で終わるが、甘すぎず、コーヒーの含むもあって心地よいバランス。タンニンは収斂感こそないが、角があってまだ飲み頃感はない。平均的なヴィンテージということもあり、特筆すべき点は無いかもしれないが、全体的にバランスが良く、安く手に入るなら嬉しいワインではある。

シャトー・ラグランジュ
Château Lagrange
「シャトー・ラグランジュ」はメドック格付け第3級のサン・ジュリアン村のシャトーです。その歴史は中世にまで遡り、19世紀にはデュシャテル伯爵によって栄光を極めましたが、その後の経営悪化による所有者の入れ替わりによって品質は低下。長らく低迷していましたが、1983年にサントリーが経営権を取得して以降、ラグランジュは品質向上に力を入れ、1990年代後半には再び3級に恥じない評価をされるようになりました。光センサーによる選果台で精密な選果を行い、小型タンクで区画毎の醸造することで、ブドウやテロワールの個性をより忠実に表現。毎年安定した品質を誇り、長期熟成可能なワインを生み出しています。
5,585 円~
生産地
タイプ
あなたの評価
テイスティングノート
48件の評価を集計
アロマチャート
アロマの詳細

赤系果実

黒系果実

加工・ドライフルーツ

花

植物・野菜

フレッシュハーブ

ドライハーブ等

発酵・乳製品

ミネラル

土・森の下草

動物系

ナッツ

樹木

焦げ臭

スパイス

薬品・化学物質

酒類
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2017年
評価日:2024年06月11日
少し枯れた印象の出てきた頃合いで、まだまだ果実味も健在。タンニンは大分こなれていてわずかに存在感がある程度で、十分飲み頃に入ってはいえるが、熟成感をしっかり味わいたいならもう5年は必要そう。あまり複雑ではなく、物凄くポテンシャルを感じるというわけではないが、無難に美味しくコスパは良い。香りは、乾燥したカシスと瑞々しいレッドチェリーという熟成途上の間を感じさせる果実香で、マッシュルームやコーヒーなどの熟成香もささやかに感じられる。他にも黒土やリコリスの甘やかな香りもある。口に含むと、強い果実味だがまろやかなアタックで、酸味は落ち着き、わずかに熟成感のある甘味がある。タンニンもかなり溶け込んでいて、意識すれば存在感があるが、意識しなければほとんど気にならず、スムーズな口当たり。余韻にもコーヒーのニュアンスがあり、長く続く。また、樹皮のような乾いた木のニュアンスも感じられる。

¥.$.
ヴィンテージ:2005年
評価日:2021年12月14日