若いから閉じているだけかと思ったが、2日かけて飲んでも開くよりも先に枯れてきてしまい、グレートヴィンテージのポテンシャルは感じられなかった。香りのトップノートはしっかりと甘く、バニラやリコリスに加えてココナッツの香りがある。ブラックベリーの果実香は少し感じづらく閉じた印象で、ピーマンの青いヴェジ香はしっかりめで明らかに早すぎる状態。二日目は一気にプルーンやコーヒーの熟成感ある香りになるが、複雑味は弱く、一瞬も華やかさを感じることなく枯れた印象になるのは寂しい。味わいは、やはり果実味は中庸からやや弱めの閉じた印象で、香りの印象とは打って変わって甘味も無い。酸味だけは若々しくしっかりとあるせいでバランスは正直良くない。タンニンは骨格がしっかりとあってフルボディの口当たりだが、滑らかで引っかかりはない。余韻はわずかにコーヒーのニュアンスがあるが、本当にニュアンス程度の控えめさ。

シャトー・ベルグラーヴ
Château Belgrave
シャトー・ベルグラーヴは、オー・メドックのサン・ローラン村に位置するメドック格付第5級シャトーです。サン・ジュリアンのアペラシオンに隣接し、格付け3級のシャトー・ラグランジュにも近い優れた土地条件で、良質な厚い砂礫層の土壌が特徴です。一時は不遇な時代も経験しましたが、1980年にボルドーの大手ワイン商、ドゥルト社による買収後は、ブドウ畑の改良や手摘みによる厳格な選果、ミシェル・ロラン氏の協力など様々な改革が行われ、評価が高まりました。畑は60haほどで、18世紀に建てられた別荘としての歴史も持ち、1855年のメドック格付けで第5級に認定された際には「クータンソー」の名で知られ、20世紀に入って「ベルグラーヴ」の名が使用されるようになりました。
5,500 円~
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ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2016年
評価日:2022年09月09日
樽香もタンニンも馴染みはじめてきた印象のベルグラーヴ15年。果実味や酸味にも若干の荒々しさが残っているので、飲み頃というには幾分か早いかなといった頃合い。抜栓直後は、カシスとブラックチェリーの活きの良い酸味と、ピンクペッパーのようなスパイシーさが立っていて、ほんの少しだが刺々しい印象のアロマ。次第にカカオやアーモンドのニュアンスで出て、さらに時間が経つとアニスやエスプレッソの香りも出てくる。樽香が溶け込んできているのと、果実香も力強いので、アロマ全体はとてもバランス良く、そしてかなりのポテンシャルを備えたもののように感じられる。口に含むと、期待通りの強い果実味とそれにバランスした酸味が心地良いミディアムフルボディの味わい。タンニンはまだ存在感はあるものの、よく熟していて「甘いタンニン」という表現がしっくりくる感じに、タンニンも味わえる要素になっている。香りから余韻を通して、根底にカカオのニュアンスを含んでいて、甘すぎず苦すぎず、カカオ99%チョコレートのような印象のワイン。

¥.$.
ヴィンテージ:2015年
評価日:2021年05月11日