特に欠点らしい欠点も無いように思うが、一方で長所らしい長所も無く、コスパの良さが取り柄といったワイン。香りは、ピンクペッパーとブラックペッパーの中間のような少し荒々しさを感じるスパイス香と林床のような湿ったアーシーさが特徴的で、酸味を感じさせるブラックチェリーやほのかに甘いチョコレートのニュアンス、バラ、黒鉛、コーヒーなど、香りはなかなかに複雑味がある。口に含むと、香りの印象どおりにアタックから強い酸味が台頭し、スパイシーさと黒鉛の冷たい印象と相まって若干の荒々しさにも感じられる。果実味は中庸で酸味とのバランスではやや物足りなく、ロースト感でバランスを取っている感じ。酸味のせいか甘味もあまり感じられない。タンニンは滑らかだが、まだ存在感はあり、少しだけだが引っかかる。余韻にはタバコのようなスモーキーさが出てきて、黒鉛の冷たい硬質感とともに長く残る。

シャトー・ド・カマンサック
Château de Camensac
シャトー・ド・カマンサックは、オー・メドックに位置するメドック格付け第5級のシャトーです。サン・ジュリアンの西、サン・ローラン・デュ・メドックという村にひっそりと佇むシャトーです。1855年の格付けにおいて第5級に制定されたものの、ほとんど知名度のない凡庸なワインが造られていましたが、1965年にフォルネール兄弟による改革が行われ、エミール・ペイノー教授の指導の下でブドウ畑やワイン蔵の刷新が行われました。その後も新支配人にヴィラール・クレール女史を起用し、有名コンサルタントのミシェル・ロラン氏とエリック・ボワスノ氏が醸造を手がけています。醸造では、区画やヴィンテージごとに異なりますが、25日以上の発酵と新樽率35〜70%の樽熟成が行われ、アロマティックでエレガントかつ力強いワインが生み出されています。
4,580 円~
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アロマチャート
アロマの詳細

赤系果実

黒系果実

加工・ドライフルーツ

花

植物・野菜

フレッシュハーブ

ドライハーブ等

ミネラル

土・森の下草

動物系

樹木

焦げ臭

スパイス

薬品・化学物質
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2016年
評価日:2023年04月26日
果実味、酸味、タンニンともにパワフルで、グレートヴィンテージらしいブドウのポテンシャルを感じるが、香りに複雑さがなく魅力が半減してしまっている。もっとも、金額を考えれば十分なクオリティだが。香りは、2日かけてもほとんど黒系果実の香りが支配的で、わずかにミントやクローヴ、タバコのニュアンスが感じとれる程度。熟成ポテンシャルはありそうなので、熟成によって複雑味が増すをこと期待したい。口に含むと、かなり強めの果実味と豊富な酸味があり、タンニンも強靭でアタックから一拍置いてとすぐに存在感を感じ、収斂感もある。ただ、余韻にミルクのニュアンスがあってまろやかな印象で終わり、果実味や酸味も荒々しくはないため、一口目の印象よりは飲みやすい。いずれにしても、それなりの期間熟成させたほうが楽しめそう。

¥.$.
ヴィンテージ:2016年
評価日:2021年10月03日