熟成による甘味が香りと味わいにしっかりと出ていて、熟成ボルドーの醍醐味を味わえる。しっかりと熟成感は出ているが、まだピークには達してはおらず、まだ少し熟成ポテンシャルがある。香りは、トップノートにメロンのような熟成香があり、他にもクレーム・ド・カシスやガトーショコラのように熟成のヒントが多く感じられる。また、杉材やタバコのスモーキーさもある。口に含むと、枯れた印象はなく、想像以上に強い果実味と酸味があり、香りの印象よりも若い印象だが、エキス感のある味わいや熟成による甘味は感じられる。タンニンは非常に滑らかでボディも柔らかいが、何杯も飲むと少し堆積する感覚を覚える。余韻はマロングラッセのような優しい甘味があるが、長さは程々で、後半はややタンニンに負けている。あまり良い年ではなかったので、ピークアウトも心配していたが、まだまだポテンシャルを感じられる素晴らしいワインだった。

シャトー・ローザン・セグラ
Château Rauzan-Ségla
「シャトー・ローザン・セグラ」はボルドーの最高峰であるメドック1級に次ぐ評価を受けるスーパーセカンドで、1855年の格付けではムートンともに2級の筆頭格に位置づけられました。1970年代には低迷していましたが、1983年にジャック・テオ氏に経営移管後、品質向上が図られ、1994年にはシャネルの傘下入りにより更なるクオリティの向上が見られます。畑の土壌は砂利や石灰が混ざり、栽培は慎重に行われ、厳しい選果を通過したブドウが使用されます。香りはスパイスやジャムの濃縮感があり、味わいはマルゴーらしい優雅で滑らかな口当たり。タンニンが豊富で、10〜20年の熟成が必要とされます。美意識が表れたシャネルの手により、数値化できない美しさと強さを備えた、貴婦人のようなワインです。
12,650 円~
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アロマチャート
アロマの詳細

温暖地の果実

赤系果実

黒系果実

加工・ドライフルーツ

花

フレッシュハーブ

ドライハーブ等

発酵・乳製品

ミネラル

土・森の下草

動物系

樹木

焦げ臭

スパイス

薬品・化学物質

酒類
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2006年
評価日:2023年05月13日
まだ熟成途上だが、十分に飲み頃に入ったローザン・セグラ05年ハーフボトル。熟成途上だと果実味や酸味、タンニンなどのバランスがちぐはぐで、もう少し早く、もう少し寝かせてから飲めばよかったと後悔することも多いが、こちらは綺麗なバランスを保っていて、この先どのタイミングで飲んでもきっとこのバランスを保つのだろうと思わせるほど、クオリティの高さを感じさせてくれる。香りのトップノートは、クレーム・ド・カシスや黒蜜など甘やかな香りを強く放ち、熟成感に期待が持てる。他にも香り高いドライローズのアロマや腐葉土などの熟成香もあるが、全体的にわずかに瑞々しさとエネルギーを感じるアロマで、完全に枯れきった印象ではない。口に含むと、香り同様にアタックからほのかな甘味がまず飛び込んできて、熟成ボルドー特有の甘味を堪能できる。穏やかなになってきた中庸な果実味と酸味のバランスは良く、タンニンはこなれて収斂感は完全になくなっていて、甘いタンニンという言葉がよく似合う。余韻はわずかにタバコのようなスモーキーなニュアンスがあるが、長くは続かない。毎年熟成過程を楽しみたくなるような素晴らしいワインだった。

¥.$.
ヴィンテージ:2005年
評価日:2021年07月09日