ブドウのポテンシャルに対して樽が強く、樽由来の風味が大半を占め、マルゴーらしさは感じないが、一方で、樽を効かせなければ、飲みごたえも無く、何の特徴も無いワインになりそうで、そこは一長一短。樽使いは上手く、荒々しさは無く、口当たりも非常にまろやかで、洗練されたコーヒーを味わっているかのよう。香りも樽由来ではあるが複雑。トップノートは、バニラの甘い香りとローズマリーやユーカリの葉のわずかに青さを感じさせる香りから始まり、カシスやブラックチェリーの黒系果実の芯がありつうも酸の乗った軽やかな果実香が続き、その後は燻製肉や黒胡椒、グローヴ、エスプレッソなど、ロースト感の強い樽香が主体となる。口に含むと、アタックは果実味が中庸で酸味は強く、17年ヴィンテージらしいエレガントな味わいから始まり、その後驚くほどまろやかなコーヒーとチョコレートのようなロースト感と甘味を伴う味わいへと変化する。このまろやかさはそれだけでも味わうに値するほど美味しさを感じさせ、そのおかげかタンニンもまったくと言って良いほど気にならない。余韻も引き続きまろやかなコーヒーを味わっている感覚で、グローヴのスパイシーさも感じられる。
シャトー・ブラーヌ・カントナック
Château Brane-Cantenac
シャトー・ブラーヌ・カントナックは、ボルドー随一のエリートファミリー、リュルトン家が手がける格付け第2級のシャトーです。創立は18世紀で、1855年にメドック格付け第2級に認定されました。所有者の変遷を経て、現在はアンリ・リュルトン氏が引き継ぎ、技術改良と畑の改良により高い評価を受け続けています。広大な畑でブドウを栽培し、異なる土壌の区画ごとに収穫されたブドウは慎重に選別され、木樽やコンクリートタンク、ステンレスタンクを使い分けて発酵させられます。60〜70%の新樽率で18か月熟成され、絹のように滑らかでしなやかな味わいが特徴です。マルゴー地区の繊細さとフィネスを備え、急上昇する品質と手頃な価格で注目を集めています。
9,900 円~
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アロマチャート
アロマの詳細
赤系果実
黒系果実
加工・ドライフルーツ
花
植物・野菜
フレッシュハーブ
ドライハーブ等
発酵・乳製品
ミネラル
土・森の下草
動物系
樹木
焦げ臭
スパイス
酒類
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント
¥.$.
ヴィンテージ:2017年
評価日:2025年10月23日
まだ熟成途上ではあるものの、熟成感はしっかりと出ていて、09年の周りのシャトーに比べると熟成の進みは早いように感じる。香りは、トップノートにマラスキーノチェリーの少し酸味も感じさせる熟成香がしっかりとあり、クレーム・ド・カシスのニュアンスも感じられる。また、マッシュルームを干したようなキノコ類の旨味成分を感じさせるようなアーシーさも特徴的。他にも西洋杉やタバコ、ドライローズ、黒土、黒鉛など、複雑味も十分にある。口に含むと、香り同様にマラスキーノチェリーを思わせる味わいで、果実味はこなれて中庸だが、酸味はしっかりと感じられ、わずかに熟成感ある甘味が感じられる。また、マッシュルームの旨味も感じさせる味わいで、余韻まで長く続く。余韻は他にもタバコのスモーキーさも程よく合わさり、心地よく長く残る。タンニンはほとんど溶け込んでいて、意識しなければ存在感がないほどで、ボディはまだ少し厚みがあるが、十分飲み頃に入っていると言える。
¥.$.
ヴィンテージ:2009年
評価日:2023年01月15日