グレートヴィンテージの中でも、驚くほどのポテンシャルを備えた逸品。熟成感は余韻にわずか程度感じられるが、まだまだ熟成ポテンシャルを秘めつつ、タンニンはすでに十分溶け込んでいて、今から長い期間楽しめる状態にある。テルトルにしては樽がしっかりと効いた造りだが、それも納得のブドウ本来の力が感じられる。ただ、荒々しさやロースト感はあまり無く、それを含めて飲み頃に入っている。香りは、トップノートにキノコや林床など、マルゴーらしい湿ったニュアンスが感じられるが、ミドルノートからはカシスの瑞々しい果実香とコーヒーやタバコ、黒コショウなどの樽香が支配的になり、ラストノートはローズマリーなどのハーブ香があり、トップノートを嗅いでいなければポイヤックと感じたかもしれない。口に含むと、アタックから果実味の爆発とでも言おうか、圧倒されるほどのブドウのポテンシャルが溢れ出ていて、余韻まで非常に伸びが良い。酸味や甘味はあるにはあるが、果実味が圧倒的で控えめに感じられる。余韻にはわずかに醤油のような熟した旨味がありつつ、コーヒーやタバコの控えめなスモーキーさが長めに残る。非の打ちどころの無い素晴らしいワイン。

シャトー・デュ・テルトル
Château du Tertre
シャトー・デュ・テルトルは、メドック格付け5級のワインで、ボルドーの格付けシャトーの中でもお値打ちな存在です。近年、所有者のシャトー・ジスクールによる改革により、高品質なワインへの進化が見られ、特に果実味が豊かで力強いアタックが特徴です。ブドウ畑は砂利質土壌で構成され、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドの品種が栽培されています。ワインは手摘みで収穫され、コンクリートタンクや木樽、ステンレスタンクを用いて発酵され、フレンチオークで熟成されます。ラズベリーやスパイスのアロマ、滑らかなタンニン、酸味のバランスが魅力です。シャトー・デュ・テルトルはマルゴー地域に位置し、高台にあるため、特別な気候条件がワイン造りに寄与しています。価格と品質のバランスが取れたワインとして、ボルドーワイン愛好者に支持されています。
6,290 円~
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アロマチャート
アロマの詳細

柑橘系果実

温暖地の果実

赤系果実

黒系果実

加工・ドライフルーツ

花

フレッシュハーブ

ドライハーブ等

発酵・乳製品

ミネラル

土・森の下草

動物系

樹木

焦げ臭

スパイス

薬品・化学物質

酒類
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2010年
評価日:2025年06月08日
綺麗に熟成していてまさにピークを迎えた頃合い。抜栓直後こそ、焦げた木の香りがやや突出して感じられてクオリティを心配したが、すぐに落ち着き良いアクセントになった。ドライカシスの凝縮感のある綺麗に枯れた黒系果実の香りが心地良く、白胡椒や樟脳のようなスパイシーさもやドライローズを中心としたポプリ、そしてタバコやコーヒーがニュアンス程度に感じられ、複雑味に富んでいるわけではないが、十分に魅力的なアロマ。口に含むと、ボディは柔らかくなり、枯れた印象がありつつも干されて果実味や甘味が凝縮されたような濃さがあり、酸味も健在で中々に飲みごたえのある味わい。タンニンは十分に溶け込んでいて、まったく存在感が無いとまでは言わないが、引っかかることはない。余韻はタバコのスモーキーさと薬箱のような熟成香が非常に長く残る。

¥.$.
ヴィンテージ:1996年
評価日:2023年09月02日