まだ熟成感は無いものの、タンニンは十分に溶け込んでいてほとんど気にならず、この先長いスパンで楽しめる状態にある。さすがのグレートヴィンテージと唸らされる圧倒的な果実味は健在で、果実味を楽しみたい場合には、今が飲み頃と言える。香りは複雑で、トップノートはグローヴや唐辛子のスパイシーさが印象的で、果実香はブラックチェリーを主体に、わずかに煮詰めたようなブラックベリーのニュアンスも感じられる。他にもスミレや乾いた土、ミント、接着剤なども感じられる。口に含むと、アタックはマイルドな始まりだが、果実味が急速に伸びてきて、あっという間に濃厚な果実味が広がり、余韻まで長く残り続ける。果実味はプルーンや少し煮詰めたようなニュアンスの凝縮感があり、果実味由来で甘味もかなり強く感じられる。その分相対的に酸味は穏やかに感じられるが、バランスは悪くない。タンニンは意識しなければ分からない程度に溶け込んでいて、杯を重ねても気になることはなかった。余韻になってようやくロースト感が感じられるようになり、コーヒーやタバコの風味とスモーキーさが果実味とともに長く続く。
ティニャネロ
Tignanello
アンティノリ家が手がける「ティニャネロ」は、サンジョヴェーゼとカベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドによるスーパータスカンで、1971年に誕生しました。当時は、伝統品種に外来品種をブレンドするのは異端とされ、イタリア国内では厳しい評価を受けましたが、海外に衝撃を与えて評価が高まり、一気にスターダムに上り詰めました。畑はキャンティ・クラシコの中心部に広がる標高340m-400mの急斜面にあり、栽培されたブドウは、豊かな果実味と凝縮感を備え、昼夜の寒暖差が質の高いサンジョヴェーゼを育みます。白い石材を砕いて地中20cmにまで混ぜ込むという独自の栽培技術により、ブドウをゆっくりと熟成させ、最良の品質を引き出しています。ティニャネロの畑は24区画に分かれ、手間暇かかる醸造と熟成を経て、最終的に最上のキュヴェがブレンドされ、リリースされます。これらの工程において、アンティノリ家はサンジョヴェーゼの魅力を最大限に引き出すことにこだわり、その結果、国際的な評価を受ける高級ワインとなりました。
16,500 円~
生産地
タイプ
あなたの評価
テイスティングノート
10件の評価を集計
アロマチャート
アロマの詳細
温暖地の果実
トロピカルフルーツ
赤系果実
黒系果実
加工・ドライフルーツ
花
植物・野菜
フレッシュハーブ
ドライハーブ等
発酵・乳製品
ミネラル
土・森の下草
動物系
ナッツ
樹木
焦げ臭
スパイス
薬品・化学物質
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント
¥.$.
ヴィンテージ:2016年
評価日:2025年09月26日
超熟タイプと思っていたが、早くも熟成感が出てきていて、あと3-5年でピークを迎えそうな気配がする。さすがの複雑味と旨味のボリュームで、熟して枯れてきた頃合いながらインパクトは強い。香りは、抜栓直後のトップノートにメロンやバナナなど、ボルドーっぽい熟成香とクローヴやリコリスのスパイシーさが感じられる。続いて、カシスやブラックベリーの果実香に、アーモンド、ダークチョコレート、スミレ、マッシュルームなども感じられる。少し経つと、スコーンや焼いたシシトウ、バーベキューのニュアンスなども出てきて、嗅ぐ旅に新しい発見があるような素晴らしい複雑味を見せてくれる。口に含むと、アタックは干した果実のような枯れた印象のある果実味と酸味、そしてダークチョコレートのようなほのかな甘味から始まるが、中盤からは醤油や昆布ベースの出汁感のある旨味ぐんぐん伸びてきてアタック以上にパワフルな味わいになる。そのまま余韻まで出汁感は続き、コーヒーやタバコなどのスモーキーさやダークチョコレートの優しい甘味、メロンのような熟成感も合わさり、余韻だけでも相当な複雑味が楽しめる。タンニンはわずかに存在感があるが、十分に溶け込んでいてすでに飲み頃と言える。
¥.$.
ヴィンテージ:2015年
評価日:2024年12月11日