非常に複雑でブルピノでは感じたことのないような印象も受け、ややモダンな印象。元々ミシェル・グロは複雑さが好きだったが、また一段と磨きがかかったように思う。香りは、ラズベリーやブルーベリーの紫ベリー系の果実香がしっかりとあり、抜栓直後はディルやベイリーフ、紅茶などのドライハーブ系が強く、他にもナツメグ、レザーなどを感じる。グラスに入れてしばらくすると、火打ち石のようなスモーキーなミネラルやガトーショコラのようなコクのあるビターな甘さも感じられる。口に含むと、ライト寄りのボディながら果実味の伸びが良く、果実味由来の甘味も感じられ、強い酸味がちょうどよいバランスで引き締めてくれる。タンニンはまだ少しだけ存在感があるが、ほとんど気にならず、今飲んでも十分に楽しめる。余韻にかけて強くはないが、ほのかな石灰の風味が心地よく感じられる。若くてもここまで楽しめるブルピノはなかなか無いので重宝したい。

ニュイ・サン・ジョルジュ レ・シャリオ
Nuits-Saint-Georges Les Chaliots
ドメーヌ・ミシェル・グロは、コート・ド・ニュイの中心部、ヴォーヌ・ロマネ村に拠点を置く歴史あるワイナリーです。1830年にグロ家がこの地に定住して以来、代々ブドウ畑の取得に力を注ぎ、現在では23ヘクタールの畑を所有しています。その中でも、1860年から単独所有を続けるヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ「クロ・デ・レア」は特に貴重な存在です。現在は7代目当主ピエール・グロ氏が、父ミシェル氏と共に伝統を受け継ぎながら、更なる発展を目指しています。「ニュイ・サン・ジョルジュ レ・シャリオ」は、ニュイ・サン・ジョルジュ村の南側、谷間から広がる扇状地にある村名畑のワインです。この畑は、扇状地特有の小石に加え、赤い色をしたシレックスやシリカを含む土壌が特徴です。ワインはミネラルが豊富で、ピュアな果実味と綺麗な酸味を備えています。力強いタンニンが骨格を形成し、長期熟成にも耐え得るポテンシャルを秘めています。醸造においては、手摘みで収穫されたブドウを畑で選果し、100%除梗を行います。培養酵母を用いてアルコール発酵を行い、ルモンタージュやピジャージュで抽出を行います。樽熟成は村名クラスで18ヶ月間、新樽率は30〜40%です。ミシェル・グロのワインは、果実味が豊かでオークの香りが心地よく広がるスタイルが特徴ですが、この「ニュイ・サン・ジョルジュ レ・シャリオ」は、力強くテロワールを表現した味わいが魅力です。
8,580 円~
生産地
タイプ
品種
ピノ・ノワール:100%
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アロマチャート
アロマの詳細

赤系果実

黒系果実

花

フレッシュハーブ

ドライハーブ等

発酵・乳製品

ミネラル

土・森の下草

動物系

焦げ臭

スパイス
味わい
ボディ
果実味
甘味
酸味
渋味
余韻の
長さ
余韻のテイスト
ユーザーコメント

¥.$.
ヴィンテージ:2016年
評価日:2022年01月31日
抜栓直後は白コショウやナツメグのスパイシーな香りが印象的だが、徐々に果実や花のニュアンスが強まり、最終的には華やかさが際立つ。ラズベリーとストロベリーの熟した甘さを感じられる香りと、牡丹のような濃厚な花の香りに、アカシアの花の蜜のニュアンスも合わさる。また、ミシェル・グロらしく、鉄やレザーのような少し癖のある香りアクセントとして効いている。口に含むと、まさに熟したストロベリーの味わいで、強い果実味と果実の甘味、程良い酸味が感じられる。タンニンは意外としっかりとしていて収斂感も感じられる。余韻は長くはないが、果実やスパイスに石灰のようなミネラル感も加わり複雑味を残していて魅力的。長くないが故に、その魅力を追い求めて次から次へと杯が進み、油断するとあっという間に飲み干してしまう。

¥.$.
ヴィンテージ:2014年
評価日:2020年12月28日